熱海と聞くと、まず思い浮かぶのは温泉やスイーツかもしれません。でも本当に堪能してほしい熱海の楽しみ方はそれだけではないんです。
東京からも近く、日帰り観光でも十分にリフレッシュできる場所なので、予定をぎっしり詰め込む旅行ではなく、海沿いをのんびり散歩したり、気になるお店をのぞいてみたり、そんな自由な過ごし方がよく似合います。
もちろん遠方から来られる方には、ぜひ存分に熱海を満喫していただいて、ふと思い出したときに「また行きたいな」と感じていただけたら、地元としてもうれしい限りです。
このページでは、はじめて熱海を訪れる方にも安心して楽しんでいただける、定番の観光スポットを地元スタッフならではのさんぽ感覚でご紹介します。初めて熱海を訪れる方もリピーターの方もにも、少しでも旅のヒントになれば幸いです。
熱海さんぽのヒント
熱海をさんぽする前に。
「観光に行って散歩?」と思うかもしれませんが、実は地元の私たちが歩いても熱海市内の散歩は面白いと感じるんです。
長年温泉地として親しまれてきた熱海は、古き良き情景を残しながら新しいお店が少しづつ増えていくという、新旧の入り混じり方が絶妙なバランスで、いつ訪れても新しい発見がある街。
大通りに面した賑やかな商店街を散策するだけでも楽しいですが、ちょっと裏路地をのぞけばノスタルジックな風景が待っているというところが熱海の魅力の一つだと感じています。
熱海を散策する際はぜひ裏路地にも目を向けてみてください。
ふとした瞬間に写真にして持ち帰りたくなるような景色に出会えますよ。
最初の目的地【熱海サンビーチ】

熱海に着いたら、まず目指して欲しいのは熱海サンビーチ。
夏には多くのお客様が遊びに訪れる熱海のメイン海水浴場ですが、海岸沿いには散策路が整備されているので、一年を通して散策が楽しめるスポットです。
午前中のキラキラした光を受けた海は眺めているだけでも気分が晴れて清々しい気持ちになれます。
朝の時間帯は人も少なく静かに海を楽しめるおすすめのひとときなので、熱海に着いたらまずはサンビーチを目指してみてください。
また、あまりイメージは無いかもしれませんが、熱海は意外と坂の街でサンビーチへと向かう道はずっと下り坂になっています。
駅前の“平和通り商店街“と“仲見世通り商店街“、どちらかを通ってそのまま大通り沿いに進めばサンビーチ付近までたどり着くのですが、その途中には“銀座通り商店街“もあるので、どんなお店があるのかお土産やランチを探しながらの移動にもぴったりです。
サンビーチ散歩のポイント
サンビーチ付近に着いたらぜひ立ち寄ってほしいビュースポットが、サンビーチ中央付近にあるサンデッキの歩道橋。
海岸からは一段高くなっているので海岸が一望でき、心地よい潮風の中で沖に浮かぶ初島や遊覧船を眺める特別な時間が過ごせます。
ひとやすみしたら、そのままジャカランダ遊歩道やムーンテラスを通って、そのままスカイデッキへと散策してみてください。
スカイデッキはコートダジュールをイメージして作られたスポットで、停泊するヨットを眺めながら歩けばまるで海外旅行に来たかのような気分が味わえます。


かもめのお気に入りフォトスポットはサンビーチ中央付近の堤防。
ここは砂浜から海へ突き出す形になっているので、海の中へ歩いていくような感覚で撮影できます。海をバックに写真を撮るのにも絶好の場所なので、ちょっと立ち止まってたびの思い出を残してみてはいかがでしょうか。
海岸沿いの散策スポット詳細はこちらでも紹介しています
INFO
海辺のおすすめカフェでひと休み
海沿いの散策では、ちょっとひと休みで立ち寄りたいカフェがいくつもあります。
サンビーチの近くでおすすめなのが「SUNBIRD」さん。2階にあるお店からは、サンビーチを眺めながらのんびりカフェタイムが過ごせます。レトロな雰囲気の店内で、昔ながらの喫茶店メニューを楽しむのは、熱海さんぽの醍醐味のひとつ。海沿いのカフェで熱海らしい、ゆったりとした時間を楽しんでみてください。
銀座通り商店街では「Organic Box」さんも訪れておきたいお店。こだわりのオーガニック素材を使った自家製シロップで作るドリンクはやさしいあじわいで、海辺のさんぽのお供にもぴったり。
サンビーチから徒歩2分ほどなので、海に行く前に立ち寄ってみるのもおすすめです。
歴史と美を感じるひととき 起雲閣を訪ねて

海沿いのさんぽからそのまま訪れたいのが「起雲閣」。
サンビーチからは徒歩で15分ほど、スカイデッキからは徒歩10分ほどの場所です。
おすすめのルートはスカイデッキから続く、海沿いのレインボーデッキ、渚デッキを潮風の中海沿いさんぽを堪能して、渚デッキから渚小公園へ、そのまま起雲閣を目指すと一回道路を横断するだけで到着できるので、あまり車通りを気にすることなく歩くことができます。
起雲閣はかつて文豪たちに愛された熱海を代表する歴史的建造物。
大正・昭和の雰囲気を色濃く残し、静かな時間が流れる館内はどこを切り取っても絵になる美しい空間が広がっています。
熱海の歴史を学ぶことのできるスポットですがフォトスポットとしても人気で、大正ロマンを感じる一枚を撮ってみるのも楽しみ方の一つになっていますのでただ見学するだけでなく細かいところまでチェックしてみてください。
おすすめの写真ポイント
起雲閣は和館と洋館の二つの建物がありどちらにもおすすめのポイントがあります。
洋館
洋館では頭上にある美しいステンドグラスや足元のタイル装飾。色とりどりのガラスから差し込む光が作る優しい空気感と歴史を感じるタイル装飾は建造当時へ思いを巡らせると同時に細部にまで宿る職人の技を感じることができます。




和館
和館は煌びやかな洋館と対照的に落ち着いた雰囲気が魅力。
庭を眺めながら静かな時間を感じられる一枚を探すのがおすすめ。窓に使われているガラスも独特の揺らぎがあってそれだけでも絵になります。




起雲閣は雨の日に訪れても趣きがあり、忙しない日常を忘れて落ち着いた時間を過ごすのにもおすすめ。季節・天気を気にせずプランに加えられる観光スポットなので熱海旅行では外せません。
また、館内には旅館当時の雰囲気を味わえるカフェも併設されています。美しい装飾の中、優雅なひと時を過ごしてみてはいかがでしょう。
※起雲閣の詳細については、当サイト内のこちらの記事でも詳しくご紹介しています。
INFO
お楽しみのランチは銀座通り商店街周辺で

起雲閣で静かな落ち着いた時間を過ごした後は、賑やかな銀座通り商店街へ向かってみましょう。
お昼近くの時間帯はランチ・スイーツ・お土産をお求めのお客様が多く、お店選びが楽しい時間。銀座通り商店街は大通り沿いだけでなく徒歩3分圏内に老舗や新しいお店などランチをいただけるお店がたくさんありますのでここでランチをとるのもおすすめです。
パワースポット来宮神社へ

ランチの後は「来宮神社」まで散策を。
銀座通り商店街から徒歩15分ほど坂をのんびり登って行く形になるので、食後の運動としてもちょうど良いかもしれませんが、結構急な坂になるので、さんぽ形式は諦めてタクシーを利用してのアクセスも検討してみてください。
銀座通り商店街そばのタクシー乗り場はこちらの記事で紹介しています
来宮神社は熱海でも有数のパワースポットとして一年を通して多くの参拝者が立ち寄る神社で、境内に足を踏み入れると、街中の喧騒からは切り離されたような静けさと神聖な空気に包まれます。

なかでも御神木であり樹齢2100年を越えるという大楠は必見。「大楠の周りを一周すると寿命が一年伸びる」「心に願い事を秘めて一周すれば願い事が叶う」という伝説もある大楠の、力強く根を張る姿からは生命のエネルギーを分けてもらえるような不思議な感覚になります。
ゆっくりと深呼吸して自然の神秘を感じてみてください。
境内カフェでほっと一息
参拝後のお楽しみとして立ち寄りたいのが、境内に併設されたおしゃれなカフェ
来宮神社の敷地内には楠の香、茶寮 報鼓、鳥居の結び葉と3か所カフェがあり、参拝後の休憩スポットとしておすすめ。神社オリジナルのスイーツやドリンクをいただくことができ、特に人気なのが“来福スイーツ”と名付けられた限定メニュー。来宮神社にゆかりのある麦こがしを使ったスイーツも見逃せません。
さらに、授与所では縁起物やお守りもチェックしておきたいです。
来宮神社は来福・縁起の神として信仰されてきました。縁結びのお守りも授かることができるのでご利益方を願う方は参集殿を訪ねてみてください。

夜の大楠はライトアップされ、より神秘的な雰囲気に。カフェ等施設は開いていませんが、お泊まりの際や時間に余裕がある際には訪れてみてください。

INFO
施設・会場詳細
来宮神社
- 電話番号
- 0557-82-2241
- 住所
- 静岡県熱海市西山町 43-1
- バス停
- 伊豆箱根バス 来宮神社
- 駐車場
- 来宮駅前の市営駐車場のご利用が便利です。
googleマップで見る
- 公式ページ
- 公式HP
- アクセス
- 熱海駅より電車
JR伊東線「来宮駅」下車、徒歩5分
熱海駅よりバス
熱海駅バス2番乗り場から「十国峠行き」または「西山循環」に乗車約20分、「来宮神社」下車
散策ならこのまま梅園へ
ここまでくると、散歩としては結構なボリュームになってきます。来宮神社はJR来宮駅のすぐそばなので、そのまま熱海駅へ移動しても良いのですが、余裕のある方にもう少しだけ散策が楽しめるスポットをご紹介させてください。
来宮神社からさらに徒歩で15分ほどのところにある「熱海梅園」はゆっくりみて回ると30分ほど。いつ訪れてもさんぽコースとしては楽しめるのですが、季節によってはイベントも開催されていますので、タイミングを合わせて訪れてみてはいかがでしょう。
新春には早咲きの梅と足湯で花さんぽ

やはり熱海梅園の一番の見どころは梅の花です。例年1月上旬から3月中旬にかけて、「熱海梅園 梅まつり」が開催され多くのお客様が梅を楽しみに訪れます。園内には60種450本以上の梅が植えられていますが、咲くタイミングはそれぞれの種で違うため、早咲き→中咲き→遅咲きと訪れる時期によって様々な顔を見せてくれます。
また、期間限定の足湯も開かれるため温まりながら梅を楽しむことができますよ。
日本一遅い?熱海梅園の紅葉

梅園という名前ですが、実は紅葉も見どころとなっていて、例年11月中旬から12月中旬には日本一遅いをいわれる「もみじ祭り」が開催されています。
熱海には意外と紅葉狩りの印象がないかもしれませんが、色鮮やかな赤や黄色に染まった葉が、落ち葉となって地面を覆う様子も趣深く、ゆったりと散策しながら秋の深まりを感じることができますので、晩秋の熱海に来たら紅葉を見に訪れてみてはいかがでしょう。
INFO
お土産と癒しをさんぽの終わりに
熱海の散策を堪能したらJR来宮駅から電車で熱海駅まで戻りましょう。
ここまでくればいつでも帰れるとは思いますが、旅の最後にちょっとだけ癒しスポットに立ち寄ってみるのも良いと思います。

駅前に設置された「家康の湯」は16時まで手ぶらで利用できる足湯。ゆっくり足をつけてさんぽの疲れを癒してください。すぐそばにタオルの自販機があるので記念に購入して使用するのもありです。
駅前商店街でお土産探し
熱海駅前にある二つの商店街でのお土産選びのキーワードは“だいだい“。実は熱海のだいだいは生産量日本2位。1位じゃないのが残念ですが、数年前までは日本一だったほどの生産地。だいだいを使ったスイーツ、お菓子を探して見ると良いものが見つかるかも。
また、根強い人気があるのが熱海温泉ホテル旅館協同組合のマスコットキャラクター「あつお」のグッズです。箱菓子のほか、ぬいぐるみや雑貨など種類豊富に揃っていますので、色々なお店をのぞいてみてください。

お土産探しと一緒に食べ歩きもおすすめ。平和通り商店街、仲見世通り商店街には温泉まんじゅうを購入できるお店がたくさんありますのでそれぞれ食べ比べてみるのも面白いです。
おわりに
今回は、気軽に楽しめる熱海さんぽモデルコースをご紹介しました。
熱海では「のんびり」をテーマに、自分のペースで過ごしていただけたらと思います。
紹介したスポットのうち、どこか一つでも気になる場所があれば、そこを訪れて、あとはカフェや海岸でゆっくり過ごす──そんな旅の形も熱海にはよく似合います。
個人的には初めて熱海を訪れる方には、駅から海へ向かって歩く道のりをぜひ楽しんでいただきたいです。商店街をのぞきながら、サンビーチを目指すその道すがらに、きっと熱海らしさを感じてもらえるはず。
無理のない旅の中でふと心に残る風景と出会えたら、それがきっと“また来たくなる熱海”の魅力に繋がってくると思いますので、のんびり熱海を楽しんでみてください